SHINKANSEN新幹線メンテナンス
線路メンテナンスの仕事
開業当初は時速240km/hであった東北新幹線が、時代のニーズもあって、今や最高速度は時速320km/h。世界でもトップクラスの高速運転になっています。私たちの仕事は東北新幹線の安全を守り、より高度な挑戦を支えることです。
線路構造について
新幹線の軌道構造は基本的にスラブ軌道が採用されています。スラブ軌道とは路盤鉄筋コンクリート、突起コンクリート、CAモルタル(CA:セメントアスファルト)、軌道スラブから構成されその上に締結装置とレールが敷設されています。
レール面整正
新幹線の軌道は線路の歪みが発生しにくく、高速運転に耐える強い構造ですが、経年や高速で列車が繰り返し通過することにより、少しずつ歪みが発生します。レールのわずかな凹凸を整正するため、レール底部に樹脂を注入したり、調整板を挿入し調整します。0.5ミリ単位で線路を仕上げる技術こそが新幹線の高速走行を可能にしているのです。それが、お客様の快適な乗り心地や高速走行を支えています。
スラブてん充層補修
軌道スラブの下のCAモルタルは、スラブてん充層と呼ばれ、厚さ50ミリ程度であり、軌道スラブを支えています。スラブてん充層は、経年や繰り返しの列車荷重等により、劣化すると軌道スラブを支えることが不安定になり、線路の歪みに発展します。そのため、私たちは、この劣化部分を削り取り、型枠を組み、補修材の樹脂を流し込んで、劣化箇所の補修を行っています。スラブてん充層補修は、新幹線のレールを支える土台づくりとして、とても重要な仕事の一つです。
道床交換
一部の駅構内などでは、砕石を用いたバラスト軌道が採用されています。バラスト軌道とは、レール、マクラギ、道床と呼ばれる砕石構造の層からなる軌道と、それを支えている路盤で構成されています。道床は、大きさが4cm程度の砕石で、マクラギの下に30センチ程度敷き詰めてあります。日々の列車走行により砕石は、少しづつ劣化し、クッションの役目をしなくなることがあります。そのため、定期的に交換し線路を安定させる必要があります。なかでも特に活躍するのが道床掘削作業機です。一晩の内に、大量の砕石を交換します。道床掘削作業機にて劣化した砕石を撤去、その後、砕石搬送台車を用いて新しい砕石を投入します。
確認車
新幹線では、安全確保のため、始発列車の前に確認車という車両により、線路の安全を確認しています。確認車は、画像モニターにより、線路上に列車走行に支障するものがないか、線路に異常がないかの確認をします。今は自動運転になっています。新幹線の安全走行のため、始発列車を迎える「最後の砦」として、とても重要な役割を担っております。