LEARNING FROM ACCIDENTS MUSEUM仙建総合研修センター

仙建工業は、1942年の創業以来、東北地域の鉄道網の整備を中心としたインフラの建設・メンテナンス工事により、地域とともに歩んでまいりました。将来にわたり、安全と確かな技術で鉄道を支え、地域社会に貢献し信頼される企業であり続けるためには、何よりも「人財育成」が重要であります。このたび実際の鉄道施設と同様の施設で研修ができる「仙建総合研修センター」を整備しました。実際の施工環境に近い状況で教育・訓練することで、社員・協力会社の安全レベル、技術レベルの一層の向上に努めてまいります。
仙建総合研修センター MAP
仙建総合研修センターには、約48,000m2の敷地に構造物実物大モックアップを配備した研修実習棟、研修線(在来線)、研修線(新幹線)、測量実習エリア、大型保線機械等の実習設備を配備しています。実物を見て、触れて、体験して行う研修を通じて、より安全で高度な技術や技能を習得することを目指しています。
検修庫
検修庫は全長38mの建物に、35mのピット(車輛を下から整備できる施設)を有し、大型保線機械の点検整備の実習を行います。

研修線
研修線は、在来812m、新幹線261mを有し、様々な種類の線路構造物や駅ホーム、信号設備、架線等の鉄道施設を配置し、土木、建築、線路の研修では、実際の設備で研修が行えるように作られています。


大型保線機械
研修線では、マルチプルタイタンパー、モータカー等の大型保線機械を配備し、運転者の走行訓練、脱線復旧訓練、軌道整備実習等を行います。

研修実習棟
研修実習棟は、1階を実習ゾーンとし、実物大モックアップや建設資材のサンプル、安全体感設備、レール溶接実習室を配備しています。2階は講習室5室、過去の事故を振返る「事故に学ぶ館」、モータカーの運転者を教育するシミュレータ室等を設けています。実習と講習が同一の建物内で実施できるように作られています。




測量実習エリア
研修センター東側のヤード内を測量実習エリアとし、基準点測量、水準測量、地形測量、丁張設置等のさまざまな測量実習を行います。

ハナミズキ広場
ハナミズキ広場は、研修生の休憩や交流の場として、研修センター入口付近に設けた園庭です。園庭自体も実物大モックアップとして外構工事の教材となるように作られており、研修にも活用します。

研修実習棟 1F
広々とした空間で、快適に研修や実習が行えるよう作られています。
エントランス
施設内のエントランスは2階まで吹抜の広々とした空間に、自然光を取り入れ、天然素材と堅固な建材が融合した空間です。ここでは、研修生やお客様を温かく受け入れ、人と人の交流を広げます。

モックアップコーナー
建築現場の構造体をリアルに再現した空間で、研修生が「見て」「触って」「やってみる」を可能とした、体験型研修の場を提供します。
建築構造物実物大モックアップ
鉄骨造(S造)
鉄骨造の構造体模型と図面を見比べて、材料・材質、加工、溶接、接手の実物に触れて、寸法や建て入れを測り、現場管理の方法や、鉄骨造全般の理解度を向上させます。

建築構造物実物大モックアップ
鉄筋コンクリート造(RC造)
RC造の構造体模型と図面を見比べて、材料加工、組立完了の実物に触れて、構造体寸法や定着、かぶり厚の確認、記録写真など現場管理の方法や、RC造全般の理解度を向上させます。

土木構造物実物大モックアップ
ボックスカルバート
ボックスカルバートの鉄筋模型、型枠模型、完成模型の3種類を設置し、鉄筋の配筋状態、型枠支保工の組立、コンクリートの表面状態等を実物に触れて、土木構造物全般の理解度を向上させます。

レール溶接実習室
レール溶接のゴールドサミット、ガス圧接の技術継承と技術力向上が目的の屋内実習施設です。実習室の隣には研修室も併設し、座学と実習が行えます。

安全体感施設
高所体感コーナー
人体模型での墜落衝撃体感や墜落制止用器具による吊下がり体感、2丁掛けフックの盛替え訓練等を行うことで、墜落制止用器具の重要性を学ぶことができます。

研修実習棟 2F
最大100名が講習を受けられる講習室、モータカー運転者訓練用シミュレータ室、当社の事故の対策を振返るための「事故に学ぶ館」、研修生が昼食や休憩ができる「さざなみカフェ」を設けています。
講習室 L1~L3
講習室L1~L3を全て使うと最大収容人数は100名で、可動間仕切りにより、L1 60名、L2 20名、L3 20名と3室に分けて使用することもできます。全室に電子ホワイトボードを配置しWEB会議にも対応しています。

講習室 L4~L5
講習室L4~L5は、8名程度で行う講習室で、少人数で集中して行う講習に使用します。

モータカー運転シミュレータ室
工事用大型機械モータカー運転のシミュレータを配備し、運転者の操作時の危険回避能力を向上させます。


さざなみカフェ
研修生の休憩、昼食、意見交換会等で使用するためのスペースで、最大68名が同時に食事が可能です。東側の窓からは太平洋が望め、解放感があり、研修生がリラックスして使用できる空間としています。

事故に学ぶ館(かん)
当社の経営理念である「私たちは、安全をすべてに優先させます」を理解し実践するために、当社で過去に起こした重大事故を中心に映像や実物展示、VR等のコンテンツを活用して過去の事故を振返り、改めて「安全」の重要性を学ぶコーナーです。
出入口

館内

事故の実物展示

研修線
鉄道工事の実習が行えるように在来線及び新幹線それぞれの規格にて線路を敷設し、橋りょう、ホーム、トンネル、こ線橋等の構造物も設置しております。また、踏切や信号設備も実際の線路と同様の軌道回路を構成し、様々な訓練が行える設備となっています。
橋りょう
橋りょうは20m設置され、桁の構造に合わせてマクラギの種類も変更し設置されている。橋マクラギの交換等の訓練が行えます。

踏切
実際の踏切と同等の設備を備え、踏切内の作業や異常時に非常ボタンを取扱う訓練などを行えます。

乗降場(ホーム・上家)
基礎構造が異なる盛土式、桁式と2種類のホームで全長はそれぞれ20mあり、先端タイルの補修、建築限界測定等の訓練が行えます。

トンネル
全長20mのコンクリート製のトンネルです。トンネル内のコンクリートの点検や補修方法の実習が行えます。

こ線橋
線路上空を横断する橋で、PC桁と鋼製桁の2種類の桁を設置し、支承や落橋防止の構造を確認できます。また、橋りょう補修のための吊足場の架設も訓練が行えます。

大型保線機械(保守用車・軌陸車)
線路のメンテナンスに使用している大型保線機械(マルチプルタイタンパ・モータカー・軌陸ダンプ)を配備しています。線路上で操作を行ったり、異常時を想定した訓練に使用します。

検修庫
保守用車の点検整備が行えるピットを35m設け、大型車両でも点検整備が行えます。
外観

内観

在来線設備
総延長 812m
- バラスト軌道区間 757m
【線路延長】
- 下り線 327m
- 上り線 333m
- 保守用車留置線 60m
- 亘り線 42m
- 16#分岐器 50m
【分岐器】
- 8#分岐器 1組
- 10#分岐器 2組
- 16#分岐器 1組

新幹線設備
総延長 261m
- バラスト軌道区間 191m
- スラブ軌道区間 70m
- 高架橋区間 25m
【線路延長】
- 下り線 154m
- 上り線 107m
【分岐器】
- 12#分岐器 1組

アクセス
〒981-1201 宮城県名取市下増田字屋敷115番2
TEL 022-738-7749
電車の場合
仙台空港アクセス線「仙台空港駅」より徒歩15分
研修制度
新入社員研修以降も年次別研修、部門別研修をはじめ、多角的に皆さんの成長をサポートします。
仙建総合研修センターと連携し、実物を見て、触れて、体験して行う研修で、高度な技術や技能を習得することができます。

研修センターの歩み
1942年(昭和17年)8月18日
仙鐡工業株式会社 創立
1957年(昭和32年)2月
仙建工業株式会社に社名変更
1994年(平成6年)1月
鈎取研修センター 開所(仙台市太白区鈎取)
鈎取研修センター(1994年4月~2014年3月)


2008年(平成20年)5月
事故に学ぶ館 開館(仙台市宮城野区扇町)
2014年(平成26年)4月
総合研修センター開所(仙台市宮城野区扇町)
事故に学ぶ館を総合研修センター建物内へ移設
総合研修センター
(2014年4月~2024年12月)

事故に学ぶ館
(2014年4月~2024年9月)

2025年(令和7年)4月1日
仙建総合研修センター 開所(名取市下増田)
事故に学ぶ館 開館 (名取市下増田)